ディベート | オンラインスクール

現代社会はますますグローバル化し、加速し、複雑になっています。技術の進歩によって、私たちは過去にはなかった新しい状況に直面し、私たちの生活はより多様な価値観や考え方に触れる機会が増え、意思決定はますます困難になっています。異なる価値観を持つ人々と協働するためには何が必要でしょうか。情報が溢れる社会において、偏見や極端な意見を正確に認知・分析し、それを吟味するにはどうすればよいのでしょうか。自分の意見や価値観をはっきりさせて、合理的な意思決定を行い、状況にとらわれない創造的な思考をするにはどうしたらよいでしょうか。

ディベート道場で得られる成果と変化

 

論理的に理解し、考え、話し、聞く、能力が高まる
合理的な意思決定力を身につけ、論理を超えた創造性を育む
早い、深い、広い、はっきりした思考力が磨かれる
コミュニケーション、提案、交渉、分析・リサーチなど、習ったスキルをすぐ日常に活かせる
独りよがりの考えや思い込みを排除し、真実を探求する力が高まる
自分の頭で一から考える能力が磨かれる
人の理解を助けるファシリテーション力が身につく

 

ディベートの訓練によって可能になるものの筆頭は、徹底した思考、しかも意思決定のための思考です。

 

複雑化する現代社会において常に求められるのが、厳しい決断をする力です。しかもその決断は、難しい課題を多くの関係者と共有し、対話や議論を重ねた上で下されなければならないものです。

 

教育ディベートでは、その題材として公共政策の課題を議論することを想定します。多くの市民が影響を受ける政策決定を、多面的・全面的に吟味し、分析し、調査し、討議するのです。

 

ディベートの訓練は、こうした公共政策の専門家のためだけに行われるのではありません。現代社会に生きる我々は例外なく、人生の他の場面でも難しい意思決定を迫られることが少なくありません。仕事、家庭、人間関係、地域社会、世界や環境との関わり方など、徹底的に考え、とことん議論し、そして厳しい決断を下さねばならない場面は少なくないのです。

 

一方、ディベートはまるでスポーツのようなゲームでもあります。

 

どんなに課題が難しいからといってスポーツ選手は眉間にしわを寄せて難しい顔をしてプレイをしません。むしろ逆です。難しい課題の連続を、一流のアスリートはこともなげに受け入れ、優れた技術やひらめきによって解決していきます。

 

ディベートはスポーツのように楽しく、面白いものです。

 

考えてもみてください。ディベート甲子園に出場する中学生や高校生、英語ディベートで日本の国家政策を論じる大学生たちは、政策のプロでもないのに、世界の先端問題や解決困難な課題について調査分析し、大会で議論を戦わせて試合をしています。

 

ディベートの試合は現実問題のシミュレーションです。現実世界で容易な解決が見つからない課題について、ディベートでは制限なしに想像力を働かせ、どこまでも深く分析や議論を重ね、試合ごとに結論を出していくのです。

 

そのプロセスは徹底的な思考と対話、分析と意思決定のトレーニングです。

 

2012年にスタートしたディベート道場では、学生時代にディベートの訓練を受けなかった一般の社会人を中心とした参加者どうしでディベートを学び、ディベートを自分の仕事や人生に役立てています。

 

ディベート道場の特徴

 

【道場という学びの場】

 

ディベート道場には、ディベートを学ぶのが全く初めての社会人(会社員、公務員、経営者、自営業者、弁護士、医師、フリーランス、エンジニア、etc)、主婦、学生などさまざまな人たちが参加してきました。年齢も16歳から60歳まで本当にさまざまです。論理的思考や合理的意思決定を学びたい、コミュニケーションや分析のスキルを高めたい、そういう動機で集まっている人たちが道場形式で質の高い相互学習を行っています。皆さん優しい人や面倒見の良い人たちばかりですので安心してください。

 

【日常にディベートを活かすことにフォーカス】

 

ディベート道場の演習では、参加者の仕事や生活のトピックを題材にして考えることが多く、その結果をすぐに日常に活かせるものになっています。また、ディベートは社会人の学習プロセスにも共通する現象であることがディベート道場で明らかになってきています。「日本は日米安全保障条約を破棄すべきか」などというテーマを、1時間程度の議論で決着できるはずがない、というのが世間の常識です。しかし競技ディベートでは競技スポーツのようにたやすく当たり前にそれをやろうとします。ディベートの思考トレーニングによって識別力、認識力、傾聴力、構造化の力、表現力などが培われます。道場では、その識別力が日常の仕事でいかんなく発揮されている、と言う人たちがふつうに出てきます。ディベートのトレーニングでは大変なことを短時間でやるので、通常の業務の複雑さなど単純に構造化できてしまうのです。ディベートで培われる識別力は、仕事や人生に要する識別力と共通しています。

 

【戦うディベートから助けるディベートへ】

 

ディベートを知らない人たちは、どうやって議論をして相手を封じ込めるかをディベートだと思っていることが多いのです。しかし、教育ディベートで私たちが学ぶのは、健全な対立である議論という手続きを使って意思決定を助けることです。相手を黙らせることではなく、相手の言い分に耳を傾けながら自分の主張を吟味して展開することです。ディベート道場では、議論相手と戦うこと以上に、意思決定者であるジャッジを助けるディベートを実践しようと、様々な知的訓練を積んでいます。

 

【ディベート経験豊富な講師、ジャッジ陣】

 

講師 田村洋一

 

組織開発コンサルタント、教育家。メタノイア・リミテッド代表。ピープルフォーカス・コンサルティング顧問。上智大学外国語学部卒業。バージニア大学ビジネススクール経営学修士(MBA)。野村総合研究所、シティバンク、外資系経営戦略コンサルティング会社で、企業等のプロジェクト組織運営に携わる。現在は、企業人教育、人材育成、組織開発のためのエグゼクティブコーチング、マネジメントトレーニング、ファシリテーションなどの活動を行う組織コンサルタント。Structural Thinking Applied Research(STARクラブ)、合理的意思決定力とコミュニケーションのためのディベート道場などを主催する。主な著書に『組織の「当たり前」を変える』(ファーストプレス)、『人生をマスターする方法』(ライブリー・パブリッシング)、『プロファシリテーターのどんな話もまとまる技術』(クロスメディア・パブリッシング)、『ディベート道場―思考と対話の稽古』『知識を価値に変える技―知的プロフェッショナル入門8日間プログラム』(ともにEvolving)、『組織開発ハンドブック』(共著、東洋経済新報社)、『不確実な世界を確実に生きる―カネヴィンフレームワークへの招待』(共著、Evolving)など多数。ロバート・フリッツの翻訳書に『自意識(アイデンティティ)と創り出す思考』(監訳)、『偉大な組織の最小抵抗経路 リーダーのための組織デザイン法則』『Your Life as Art 自分の人生を創り出すレッスン』(以上、Evolving)がある。

 

上智大学英語学科在籍中は日本国政府の政策を論じる競技ディベートに没頭し、全国大会、国際大会など複数の主要な大会で優勝。その後ニュージーランドや北米でさまざまなアカデミックディベートのスタイルに触れる。現在も審査員や講師、コーチなどの活動を通じてディベート教育活動に貢献している。1997年から2005年まで日本ディベート協会理事。

 

主なディベート大会実績
1985年 Tokyo Intercollegiate Debate Tournament 優勝
1985年 East West Debate Tournament 優勝
1985年 International Debating Contest 優勝

 

各界で活躍する豪華ジャッジ陣(これまで道場で招聘した方々)

 

友末優子 (STEMヘルスケア株式会社、プロジェクトマネジメント責任者、グロービス・マネジメント・スクール講師))

 

神田 晴彦(野村総合研究所上級研究員 グループマネージャー Ph.D. ビジネスアナリスト)

 

山中礼二 (グロービス経営大学院専任教員・KIBOW社会投資ディレクター)

 

鈴木 健 (明治大学教授、地域文化論(英語圏)/メディア批評) 

 

佐藤義典 (ストラテジー&タクティクス株式会社代表取締役社長)

 

森川勇治 (株式会社ウェッブアイ代表取締役社長、早稲田大学・フェリス女学院大学非常勤講師)

 

北野宏明 (ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長、システムバイオロジー研究機構会長、内閣府新AI戦略検討会議座長)

 

ディベート道場で目指していること 田村洋一

 

ディベート道場では「議論に強くなる」ことを最終目標にしていません。議論に強くなるなんてことは、長い人生や豊かなビジネスにおいては、比較的どうでもいいことです。ましてや勝ち負けなど本当にどうでもいい。

 

ディベート道場に来てほんの少しの期間にディベートの稽古をした人たちが、物の見方や考え方が変わった、仕事におけるリーダーシップや人間関係が変わった、頭がすっきりするようになった、社会の出来事に以前とは違う興味関心が湧いてきた、などと口にするのをずっと耳にしてきました。

 

ディベートを知らない人がその無知ゆえにディベートを怖れたり否定したり批判したりします。日本人には合わないなどという暴論を吐く知識人さえいます(しかも少なくありません)。今の時代はディベートよりもダイアローグだ、などと言って無知をさらけ出す人もいます(ディベートなど当たり前である欧米社会において議論よりも対話を重視しようとする風潮を、文化的背景も知らずに請け売りした結果です)。

 

無知や無理解の多くは、ディベートの目的を知らないことに根ざしています。ディベートにおいては勝つことが目的ではありません。それは試合の目的です。試合において必死に勝敗を争うプロセスから知性が磨かれ、洞察が生まれ、深い理解や速い決断が可能になります。

 

スポーツの目的は勝つことでしょうか。それは試合における目的にすぎません。スポーツによって磨かれる心身の健やかさがあるように、ディベートによって磨かれる知的能力があります。

 

それは多くの先達の実績によって証明されています。机上の空論ではありません。

 

友末優子 (医薬品会社、プロジェクトマネジメント責任者)

“思考の訓練をすることで、自分自身の努力で脳みそのシワを増やせる、これがディベートのすごいところです。ディベートを通じて一歩進んだ深い思考ができるようになる。自分を高められる。私もその恩恵に浴しています。ディベートは人生の可能性を広げてくれます。仕事に活かせる場面も多数あり、そして、人生を豊かにします。”

 

山中礼二 (グロービス経営大学院専任教員・KIBOW社会投資ディレクター)

“私は大学院で教員をする中で、議論をファシリテートすることがあります。ある人の議論、それに対する反論、ひとりひとりの議論が全体的にどのように位置づけられるべきなのかという構造を見ることに役立ちます。どちらが肯定して、どちらが否定しているのか、議論はクラッシュしているのか。議論を自分の頭にマッピングすることで、俯瞰しやすくなると思います。これは、ディベートのジャッジと同じようなことをやっているんですね。”

 

佐藤義典 (ストラテジー&タクティクス株式会社代表取締役社長、ベストセラー『図解 実戦マーケティング戦略』著者)

“僕はメルマガを書くときも、本を書くときも、コンサルティングするときも、全部ディベートを使っています。自分の意見を検証するために自分の意見を書き出して、それに対して自分で反論する。僕はこれを徹底的にやります。(…)議論の弱点を見つけられることは、すごく大事です。それは、別に人をやり込めるためではなく、自分の身を守るというか、自分の主張をより強くするために必須です。自分が自分の議論に対する最強の批判者でないといけない。自分のため、自分の身を守るためにです。ディベート以外でこれを得られる教育機会を、僕は知りません。”

 

森川勇治 (株式会社ウェッブアイ代表取締役社長、早稲田大学・フェリス女学院大学非常勤講師)

“ディベートは、この真理を多角的に見るチャンスを与えられるものなんです。だって、くじ引きして肯定側か否定側を論じることが決まるわけですから、絶えず両方の視点を持っていなければいけませんよね。それは、物事の吟味において、すごく多角性を広げることになるんです。それで間違いを減らすこともできます。僕は(ディベートによって、真理を多角的に見ることで)人間の選択の余地が広がると思っています。通常は見つけられない選択を、見つけることができる。それと、ディベートをすると、お互いがわかり合えるんです。それぞれ、ある決められたひとつの見方だけで対話すると戦争になってしまう。しかし、両サイドから物事を見ることができれば、もっと世の中が平和になりますよ。”

 

北野宏明 ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長、システムバイオロジー研究機構会長、内閣府新AI戦略検討会議座長)

“基本的なディベートスキルでは、特にリサーチの部分が役に立っていますね。あとは、自分がつくったケースに対して否定側がどう言ってくるか。それに対する反論はどうするか。これらをずっと考えるというところが、大変役に立ちます。分析でも、エビデンスのクリティカルリーディングもよくやるでしょう。「こう言ってるけれど、本当はどうなんだろう?」とかね。そういった情報評価の部分は、ディベートでかなり鍛えられます。”

 

ディベート道場生の声

 

 

 

 

能力を短期間に高められる

 

医師・研修講師 守屋さん 

 

2020年秋季JDA大会 準優勝

 

私は、ディベート道場に参加してちょうど一年になります。大げさではなく、ディベートは自分の様々な能力を短期間に高めてくれました。

 

特に変化を感じているのは、ワークショップや会議のファシリテーションをしているときです。

 

ディベートでは、日常会話の何倍ものスピードで話す相手のスピーチを聴きとり、それを構造的に理解して、反論を考えるというトレーニングをします。さらに、それを試合という緊張感のある場で体現する必要があります。

 

それを繰り返すことで、日常のコミュニケーションにも「余裕」が産まれていきました。

 

もともと、私は聞いた話を論理立てて頭の中に納めることが苦手で、話を理解することにエネルギーを注ぎすぎてしまい、視野狭窄に陥る場面が少なくありませんでした。

 

しかし、ディベートの訓練を積むことで、話し手に耳を傾けながらも、「この話し合いのテーマと今の話はどう関連しているのだろう?」などと話を俯瞰的に捉えたり、「この発言に対して場はどう反応しているのだろう」という非言語情報を間接視野で捉えることができる瞬間は確実に増えていきました。

 

他にも、リサーチ、プレゼンテーション、ライティングスキルなども向上しました。とにもかくにも試合に参加し続けることで、色々な能力を短期間に高めることが出来ました。自分でも驚いたのは、英語のヒアリング能力まで上がったことです(英語でディベートすることはありません)。

 

ひとつ残念なのはディベートが「敷居が高い」と感じられてしまうこと。自分も最初は「頭の回転が早いロジカルな人向けの技術」との印象があり、道場に参加するかどうか何年も迷っていたほどです。

 

しかし、蓋を開けてみれば論理的思考がそれほど得意ではない自分でもスムーズにディベートの世界に入っていくことができました。

 

その理由の一つは、ディベートがチームで行うものであり、自分に足りない部分はパートナーに補ってもらえるということがあります。そのため、いきなり高いハードルを越えることを要求されたことはありません。裏返せば、初心者であっても自分がすでに持っている強みや経験で貢献していくことができるのです。自分はディベートが論理的思考のみが求められるものだと誤解していましたが、実際には様々な能力が求められます。自分のもともとの強みである発想力は立論を考えるときに役立ちましたし、研修講師としての経験はスピーチに活かすことが出来ました。自分の強みを活かした貢献もしつつ、ステップバイステップで成長することが出来るのがチーム制の特徴だと思います。

 

もう一つの理由は、ディベート道場にはメンバーどうしがお互いに学び合い、支え合うエコシステムがあるからだと思います。Facebookで疑問を投げかければ、すぐに誰かからヒントが返ってきます。立論のブラッシュアップをしたければ、Zoomで誰かが相手をしてくれます。初心者には初心者のための手厚いサポートが得られるのがこの道場の強みです。

 

たしかに、働きながらディベートの試合に臨むことは楽ではありませんしプレッシャーもあります。しかし、勇気を持って飛び込みさえすればすぐに泳げるようになるものですし、胸躍るような知的探求の世界が待っていると思います。

 

 

 

 

情報処理能力が上がる

 

竹本さん

 

 

▼参加したきっかけ
仕事での役割が変わってくるにつれて、多面的に思考することの重要性を痛感する場面が何度もありました。平面な論理ではなく、全体を見て立体的に自分の考えをまとめてコンパクトに伝えたい。そんな力を鍛える方法はないかと探して辿り着いたのが『ディベート道場』の本でした。
私は「ディベート=理屈をこねて相手を言い負かすこと」だと勘違いしていたので、本を読んで目からウロコの連続でした。友人の「あらー、面白そうじゃない」という一言が後押しになって、新しい自分が見えるかも、とわりと軽い気持ちで道場への参加を申し込みました。

 

▼ディベートを学んで変化したこと
@目線が上がった
ディベートは、ジャッジに理解してもらうゲームなので「相手が判断するには何が必要か」を考える訓練ができます。それによって、上司がどんなことを知りたがるか、どんな情報を提供すればいいのか、一段高い目線で考えられるようになり、資料作成のスピードが上がりました。担当者が持ってくる資料のレビューも、些末なことではなく「そもそもどうなのか」と本筋を見極めて指摘できるようになりました。

 

A情報処理能力が上がる
先日友人に「年に数回、脳の性能が上がる時期があった」と指摘されたのですが、その時期が試合前後と見事に被っています。反応やアウトプットが早くなり、やや早口で話の整理が絶妙になるそうです。まだ年に数回のレベルですが、ディベートの効果であることは間違いありません。

 

B思考の整理
これまではいろいろなことをいっぺんに考えてぐちゃぐちゃになったり、堂々巡りになることが多く、一方向から深みにはまっていました。ディベートを始めてからは、反対の見方をしてみたり流れを整理したりと、客観的に考えることができるようになってきました。

 

▼ディベート道場の良さ
一言でいうと「懐の深さ」です。上達のスピードが遅く、試合では全くしゃべれなかったり、スピーチが聞き取れなかったりと散々な状態が続く私のことを助けてくれ、比べるのは過去の自分であることを教えてくれました。いろいろなバックグラウンドの人が集まり、お互いを尊重する雰囲気も魅力だと思います。

 

 

 

 

 

勇気をだして実践あるのみ

 

システムエンジニア 野田さん

 

 

私は2018年8月よりディベート道場に参加しています。私にとって少し敷居が高いセミナーであったため、参加するかどうかを悩みましたが、結果としては参加してよかったと思っています。 本を読んだだけでは、そこから実際にディベートを始めること、継続することはおそらくできていなかったでしょう。 ディベート道場に参加し、継続できたからこそ、ディベートの効果を実感することができました。また、愉しさも知ることができました。

 

私が実感した効果の一例です。それは、立場の違う人達との調整をこれまでより円滑にできるようになったことです。以前は、自分の考えに固執してしまう癖がありました。現在は、スタンスを強制的に切替えて多面的に考えること、主張の裏付けとなる根拠を検証すること、相手の立場や理解状況を意識して会話すること、が習慣となっています。この癖・習慣の変化によって得られた効果なのだと思います。

 

現在の自分から新しい自分へと変化したい方は、ぜひ勇気を3回出してみてください。

 

1回目の勇気は、ディベート道場に参加してみることです。参加するかを悩まれている方は、まず見学してみることをおすすめします。私も見学してから参加を決めました。

 

2回目の勇気は、ディベートの試合をしてみることです。初試合は、議論のスピードについていけるのか、うまく発言できるのか、不安になると思いますが、試合をしてみることで自分の現状や課題が見えてきます。最初からできる人はほぼいないので、できないことを不安視することはありません。また、道場のみんなが優しくサポートしてくれるのでご安心ください。

 

3回目の勇気は、2試合目をしてみることです。1試合目が辛くて諦めてしまう人もいますが、もうひと踏ん張りです。2試合目を経験すれば、1試合目より慣れてきますし、1試合目の課題をクリアできたかもチェックできます。課題解決のサイクルを回すことで、成長サイクルが回ります。このサイクルを継続することで、少しずつ自信もつき、1年後に振り返ってみれば、過去の自分に比べて、多面的な考え方やスキルを持つ新しい自分へと変化していることでしょう。

 

ディベートのスキルは、日常的に使えるものです。無意識に使える『習慣』としてこそ、より効果があります。 ディベートを『習』うだけでなく、勇気をもって挑戦し、ディベートの試合・実践に『慣』れることで、少しずつ『習慣』としてみてください。 ディベート道場は、ディベートを『習慣』とするためのコミュニティとサポートがあります。

 

ディベートに興味をもち、これからもう一歩を踏み出すか悩まれる方の参考になれば幸いです。

 

 

 

 

性格が変わる!

 

システムエンジニア 安藤さん 

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

・仕事
相手の話を理解しやすくなりました。ディベートを学ぶことで、相手の主張に対する”根拠”をしっかりと理解しようとする癖がつきました。根拠を明確化することで、相手の考えをより理解しやすくなりました。

 

・私生活
頑固な性格が少し改善された気がします。テレビや権威がある人の意見を妄信することが良くありました。ディベートを学ぶことで、自分が信じていたこと以外にも色々な意見、色々な根拠があることが分かりました。

 

ディベート道場の良さは?

 

・ディベートを日常に活かす方法について考える機会があるところ
道場で学んだことについて、日常でどのように活かせるかを意見交換する時間があります。とても参考になる考えが多く出てくることに驚いています。

 

・ディベート大会に参加できるところ
道場で学んだことを試合で実践することで、より学びが身についたと感じています。また、日々忙しい中でパートナーと協力して試合の準備をした結果、試合後に言葉にできない感動を味わえました。

 

 

 

客観的に物事を捉えることで、打たれ強くなる

 

研究職 Iさん 

 

 

僕はディベートを初めてから一年ほどたちます。ディベートを学んで変化したこととは精神的に打たれ強くなったことです。

 

人生初のディベートは立論もできていない状態からぶっつけ本番での練習試合でした。当然のことながら手も足も出ずボコボコにされました。でもこれは僕にとってとても良いことでした。物事を客観的に見るきっかけになったからです。

 

ディベートでは客観的な視点を持つことが大切です。試合の中で敵チームはこちらの主張に対して攻撃をしますがそれは僕たち自身の人格を攻撃しているわけではありません。僕はそんなことにも気づけずに、自分の人格を攻撃されたと思って一人勝手に傷ついていました。「この人たちはなんでこんなイヤなことを言ってくるんだろう?」と真剣に思っていました(笑)。客観的に物事を捉えることができていなかったのです。

 

しかし試合を繰り返すにつれて自分の主張と自分の人格を切り離して考えられるようになっていきました。
というか切り離さないと自分を保っていられないというか、心が折れて立ち直れません。いまは当時と比べたら客観的な視点が身についたんじゃないかと思います。

 

日常生活で辛いことが起こったり、他人から厳しいことを言われても、「これは僕ではなく僕の主張に反論しているんだ」と客観的に捉えることができて傷つかなくなりました。だからあの時試合に出てほんとによかったと思っています。もし初めてディベートに人がいたらは僕は準備は後回しでもいいので試合に出ることをお勧めします。ディベート道場の良さは、来るもの拒まない雰囲気だと思います。

 

新しいことを始める際には何事にも勇気が必要です。僕もディベートを始める時は不安でいっぱいで「初心者でもついていけるのか?」、「人間関係は大丈夫か?」などいろんな心配が頭を過りました。でも実際は、道場のみんなで助け合う雰囲気があって、初心者にも丁寧に教えて頂けたり、試合に出るチャンスもたくさん頂きました。この一年、道場の皆さんとかかわる中でちょっとずつディベートに慣れて、自分のペースで成長できていると思います。

 

 

 

仕事に直結する能力を身につけられる!

 

システムエンジニア 40代 

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

・ディベートの試合の中で最大限のパフォーマンスを発揮することを意識してトレーニングしていく中で、頭脳のSPEC(CPU,メモリ)が上がり、仕事が早くなりました。それにより、会議で話を纏める力や、上司や部下に話の要点を伝える力を身につけることにもつながったのではないかと思います。

 

・限られた時間の中で、ディベートの準備・リサーチをする中で、時間のマネジメント能力が付きました。スケジュール全体の中で今やるべきことは何か、とか、この課題を今の1時間でクリアするためにはどうすればよいか、など意識して仕事ができるようになりました。

 

・ディベートの試合のテーマについてリサーチしていく中で、医療、外交/軍事、選挙、移民政策など、様々な政策、時事問題について、専門家ではないなりに自分で調べてみる力が付きました。

 

・ある政策のテーマについて、何が問題で、何をすれば、どのくらい問題が解決できるかというストーリーを文章にしていくことで、今ある状況を整理して、問題を抽出して、解決策を考える力が身に付きました。

 

ディベート道場の良さは?

 

師範と道場生の人の良さだと思います。いろんな仕事、年齢の人が集まっていて、みんな自主的に、前向きに学ぼうとしています。誰かに強制されている訳ではないのですが、先輩は後輩にスキルを教えて、稽古したい人はスカイプ稽古を自分で立ち上げていくということを自発的に行っていくという雰囲気(風土)があります。社会人として仕事などをやりながら、ディベートの試合の準備をしていくことはとても大変なことですが、そういう雰囲気に後押しされて、少しずつみんなで上達していけるということろが、ディベート道場の魅力だと思います。

 

 

 

 

 

パーソナルな問題を解消し生き方まで変えてしまう

 

主婦 佐藤さん 

 

 

ディベートを学んで5年目、今までたくさんの変化があったなかで自分にとって一番インパクトが大きいと感じたのは、パーソナルな問題の重要度がどんどん下がり問題がほぼ解決した状態になったこと、それによって問題解決思考ではなく、創造的な思考に変化したことです。

 

その過程を自分なりに整理してみました。

 

ディベートを初めて1年目で、自分の感情と意見に線引きできるようになりました。ですから、人から批判されることがあっても自分を攻撃されていると感じることはなくなりました。

 

2、3年目に道場内の大会で一度優勝したことがあり、その際にはパートナーの力が大きいのもありましたが、私自身もできる限りの準備をして試合に臨んだため、いつも緊張するはずの試合がすごくリラックスして落ち着いてできました。

 

この経験によって自己肯定感がなかった私は自信を持てるようになりました。この自信が後の創造的思考になるための大きな変化になったと思います。

 

3、4年目に入ると、ディベートの理解も始めた当初に比べて少しずつ進み、物事を客観的に細かく分解するということが理解できるようになりました。

 

ディベートで使いこなすにはまだまだ時間が必要ではありますが、細かく分解して考えるということを理解できると、今まで霧がかかって認識できなかったことへの理解が進み、認知が広がるような感覚がありました。その頃からディベート以外の日常生活や別の学びの認識にも変化が出るようになります。

 

自分の性格や考えや行動、昨年習い始めたコーチングや哲学などの理解が進み、物事の捉え方、見る世界が徐々に変化していきました。その中で、自分はどう生きていきたいか、何によって幸せと感じるか、という問いをたてて、初めて明確なビジョンを設定することができました。

 

ビジョンが設定されたことで、自分の行動が明らかになり、それに向けて必要な行動を起こすとさらにビジョンが明確になり、ビジョンへ進む動機へと繋がるといった流れにいるような状態です。

 

問題解決や苦手克服のような動機ではなく、やりたいことをやる、創造したいという動機で行動を起こせるようになったのは、ディベートで学んだ物事を客観的に細かく分解して理解できたこと、道場や試合での成長を通じてパーソナルな問題の自己肯定感やほかの問題も徐々に解消され自分自身を信頼することができたからだと感じています。

 

論理的思考や技術的なものを超えてパーソナルな問題を解消し生き方まで変えてしまう、そのくらいディベートはインパクトがあるものだと思います。

 

 

 

 

コミュニケーションが変わる!

 

弁護士 酒井さん 

 

2020年秋季JDA大会 準優勝

 

ディベートを学んで変化したことは何ですか?

 

他人とのコミュニケーションの幅が広くなり、人との付き合い方が大きく変わっています。

 

まず、自分と意見が違う人の話を深く聞けるようになりました。皆さんは、自分と違う意見を聞くと、すぐに遮ったり反論したりしたくなったことはありませんか? また、興味のない話を聞かされて、内容を理解できなかったことはないでしょうか? 以前の私はそうでした。

 

そんな私もディベートを始めてから、自分とは異なる立場でのスピーチを考え、必死になって相手の主張を聞くという訓練を続けることで、話の聞き方が変わっていきました。ディベートではあるテーマについて必ず肯定と否定の両方の立場で主張を考えてスピーチします。相手の主張がどんなに突拍子のないものでも、理解して反論しなければなりません。否応なく、人の話、主張を深く聞くことの大切さを実感できます。さらに、練習を続けていると、相手の主張のポイントは何かということを限られた時間の中で考える力が付きます。自分と違う意見を聞いても、どこがどう違うのかと考えながら聞く余裕がでてきます。

 

次に、他人に自分の意見、思いを伝えやすくなり、もっと伝えたいと思っています。日本人はよく自分の意見を伝えるのは苦手だと言われますが、以前の私は食べ物や音楽といった個人的な好みについての簡単な話題でさえ、他人に自分の意見や思いを伝えることが億劫でした。

 

私がディベートを始めて気づいたことは、黙っていないで、とにかく意見、議論を言った方がいいということです。ディベートでは、どんなに優れた議論でもスピーチしなければ、ジャッジはその議論を全く判断してくれません。黙っていると負けてしまうのです。反対に、どんなに稚拙な議論でも、ジャッジは真剣に扱ってくれますし、相手方チームが反論できなければ勝つこともあります。意見、主張をどんどん表現できる姿勢と反論されることは当たり前という打たれ強さが自然と身につきます。さらに、不思議なことに、ディベートした相手とは人間関係もよくなっていきます。実際、ディベート道場生同士だけではなく、他の団体のメンバーとも交流ができています。黙っているよりも、自分の考え、思いを伝えた方がお互いに深く理解し合えるという、とても貴重な経験ができました。

 

ディベート道場の良さは?

 

一番の魅力は、マイペースで続けられることです。
何事も継続していけることが上達のコツだと思います。道場のメンバーは社会人ですが、仕事や家庭を持ちながらも、初心者の人や試合を何回も経験している人が一緒になってそれぞれの目標に向かって学び続けています。ディベートを学ぶ時間をつくるのは大変ですが、道場に出て、他の道場生と話をすることはいい気分転換になりますし、忙しい中で一生懸命ディベートに打ち込んでいる他の道場生の姿に元気づけられています。どうしても忙しいときは、道場を休むこともありましたが、後で講義の録音を聞くことができたのはとても役に立ちました。

 

また、道場では本気でディベートを学びたいと思えば、道場生同士で試合に出るための練習、準備を思う存分することができます。私もディベート道場に通い始めた頃、道場生同士でのスカイプを使ったディベートの稽古、練習試合に参加して、道場内の試合や対外試合(JDA主催の大会)に出たりしていました。道場をつうじてとてもいい仲間ができました。もちろん、試合の準備をすることは大変ですが、ディベートの試合で味わえる楽しさ、達成感は格別です。時間をかけるだけの価値は十分にあると思います。今年も時間が許せば、みなさんと一緒に試合をしたいと思います。

 

 

 

商社 横井さん 30代

 

 

「限られた時間で」最低限必要な情報が何かアテをつけること、その情報を集めること、そこから立論(アイデアを論理的に組み立てる)すること、それを他者に的確に伝えること、そこからフィードバック得て発展させること、など多くの能力を身につける事が出来ます。

 

 

 

 

「絶対なんて存在しない」と自覚できる。

 

公務員 せいじさん 30代

 

 

ディベートをやって「いい意味」で最初に戸惑うのは、さっきまで必死に論題を肯定しようと頑張ってた人が、次の試合ではその論題を否定側として徹底的に攻撃しなくてはならないことです。
こんな人格を2つ作るみたいな体験、ディベートをやらないとなかなか遭遇できません。
試合なんて…っと最初はビビってしまうでしょうけど、1回でも出場してみると遭遇できる本当に貴重な体験です。

 

「自分の意見」なんて現時点での自分の「仮説」でしかなくて、ディベートをしてみると、いかに独りよがりな意見だったのか自覚できます。「自分が絶対に正しい」なんて「思い上がり」だと知れるわけです。

 

この体験を通してみると、意見のぶつかり合いにあまり臆さなくなります。
「自分の意見」などという不完全なものに固執することがなくなり、素直に人の意見を聴き、いいところは吸収して、「より確からしい結論を探求」できるようになります。
また、副産物として(笑)、相手の論理の穴を見つけやすくなるので「質問の形」でやんわりと否定の意を伝えることも出来るようになります。

 

結局、意外に思われるかもしれませんがディベートのメリットは、議論に強くなるのもありますが、ニュートラルに上司・部下・家族・友達と肩の力の抜けた良好なコミュニケーションを取れるようになることだと思います。

 

 

 

 

人の意見を鵜呑みにしなくなった!

 

技術職 まなぶさん 20代

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

人の意見を鵜呑みにすることが少なくなりました。私は今まで、誰かに主張や反駁をされると何も言い返すことができませんでした。
私はこの呪縛から逃れたいと思いディベートを学びました。今回のセルフトレーニングでは、道場の先輩の方に再反駁の練習をやって欲しいとお願いし、1年間やってきました。次第に相手に反駁されても臆することなく、思考を切り替えて再反駁が出来るようになり、フラストレーションが溜まらないレベルまで上達できました。

 

 

 

 

自分の好きな時間で学べる!

 

主婦 Aさん 

 

 

ディベートを既に学んでいる友人から、頭の回転がよくなったなどの話を聞いて興味を持ったのが、ディベートの勉強を始めたきっかけです。その他に、論理的に人に説明したり、人前で話すことが苦手で、それらができるようになりたいという目標もありました。学んでみて、論理的に思考して判断・表現する力、仕事で必要な様々なスキルが身に付くと感じます。ディベートは脳の筋肉を鍛えるという感じです。本を読むだけでこれらを身に付けることはなかなか難しいので、実践的に学べる機会は本当に貴重です。できればもっと早く学びたかった、と思うほど学ぶ前と学んだ後の頭の使い方の違いを感じます。仕事だけでなく身近なコミュニケーション構築でもよい影響がたくさんありました。子育てでも役に立っているところがすごいです。

 

道場で扱う主なテーマ

 

・ドリーム、シャドイング、フローテイキング 
・アーギュメントと立証
・立論
・ターンアラウンド、システム図
・戦略と判定
・エピステモロジー(認識論)
・パラダイム
・フレンドリークリティーク(Friendly Critique)
・カンバセンショナルディベート(Conversational debate)
・モデルディベート
・インパクト
・ディベートゲーム
・ストップモーションディベート
・クロスイグザミネーショントレーニング
・サイドキャスティング
・戦略と空間思考
・スピーチとトピックセンテンス
・4つの叡智と3つの問い
・反応的議論・創造的議論
・ディベートの学習サイクル
・ファクト・フィクション・フィアット
・リサーチ、分析、立論の三位一体
ほか

 

(2015年〜実際に扱ったテーマです)

 

ディベート道場案内

 

◆参加方法:原則としてzoom形式で開催します。(毎回アーカイブをシェアします)

 

◆日 時:月に1回
2023年スケジュール: 月1回 第三日曜日 10:00-13:00(※大会は午後も含む)

 

4/16(日)10:00-13:00
5/21(日)10:00-13:00
6/18(日)10:00-13:00
7/2(日)9:00-17:00(道場内大会 予定)
8/20(日)10:00-13:00
9/17(日)10:00-13:00
10/15(日)9:00-17:00(対外大会 JDA大会予選)
11/19(日)10:00-13:00
12/17(日)10:00-13:00
2024年
1/21(日)10:00-13:00
2/18(日)9:00-17:00
3/17(日)10:00-13:00(道場内大会 予定)

 

◆受講費:
・1年間 132,000円
・6ヶ月 72,600円
・セルフトレーニングコース(ビデオ視聴のみ) 66,000円

 

◆その他:
・年に2回の実践試合を通じて、基礎を堅めながら、幅広いディベートのスキルを身につけていきます。
・試合は本道場のプログラムに含まれます。その場合、必ずしも道場生全員が試合をしなければならないわけではありません。試合をしないメンバーはスピーチを書き取ることやジャッジの仕方を稽古します。

 

・1年間のコース内容
参加メンバーの希望や習熟度に合わせて柔軟に設定します。

 

※道場で行う主な内容
リサーチ、分析、立論の三位一体
反論と立論
論題性(トピカリティ)
ドリーム
リサーチ、立論、反駁
いろいろな反駁のやり方
カウンタープラン
ターンアラウンド
ジャッジフィロソフィ
目的の共有と戦略的議論
スローディベート
創り出すディベート

 

 

『ディベート道場』トークイベント動画

 

2017年9月、書籍『ディベート道場』の出版記念トークイベントの動画です。是非ご覧ください。

 

テーマ
「なぜ今ディベートなのか」「民主主義に向かうためのディベート」「パトス(共感)・ロゴス(論理)・エトス(信頼)」「ディベートはどう活かせるのか」

 

 

パネリスト

佐々木俊尚(ジャーナリスト・評論家)

山中礼二(グロービス経営大学院教員・インパクト投資家)

田村洋一(組織コンサルタント・教育家)