ディベート道場 | 田村洋一

 

ディベート思考の根幹

 

 

世間の議論とディベートの議論

 

世間ではディベートと言えば未だに「ああ言えばこう言う」という詭弁術だと思われています。そして議論というと口うるさくて非生産的なものだと思われていることも多いのです。

 

しかし世間で言う「議論」とは口喧嘩のことです。ディベートにおける議論は合理的な検証プロセスです。

 

これについてディベート道場でレビューしたことがありました。

 

世間の議論
1.「それはおかしい」と反射的に反応する(システム1)
2.情緒的、感情的に反応する
3.後先を考えずに反応する
4.枝葉末節にこだわる
5.結論が不明

 

ディベートの議論
1.「相手の主張が正しかったらどうなるか」と総合的に考える(システム2)
2.認めるべきこと(正しいこと、または争っても勝てないポイント)を見つける
3.争うべきこと(検証すべきこと)を見つける
4.明確な判定を助ける
5.全体トピック(マクロ)と個別争点(ミクロ)の両方のレベルで議論する

 

深く広くはっきり速く考えること。これがディベートによって育む四つの叡智(4H)です。

 

智慧があると議論の場を選ぶことができます。闇雲に議論せず、戦うべき時に戦うべくして戦い、無用な争いは避けるのです。

 

ディベート教育で培っているのは、論争で敵を倒すための力や技ばかりではありません。事実とロジックに基づいて合理的に話し合い、効果的な意思決定ができるようにするものなのです。

 

※「システム1」は自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。また、自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。
※「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。システム2の働きは、代理、選択、集中などの主観的経験と関連づけられることが多い。
「ファスト&スロー(上)」ダニエル・カーネマン著 早川書房より引用

 

ディベートが培う識別力

 

「教育ディベートは合理的意思決定を楽にし、論理的コミュニケーションを楽にする」

 

それは30年以上の自分の体験から、また学生時代に競技ディベートに打ち込んでいた人たちを観察することから生まれた気づきでした。

 

2012年にディベート道場を始めて、認識を新たにしています。それが学生時代の特殊な経験に留まるものではなく、社会人の学習プロセスにも共通する現象であることが明らかになってきているのです。これでもかというほどにその証拠が目の前に突きつけられています。

 

「日本は日米安全保障条約を破棄すべきか」などというお題を、たかだか1時間程度の議論で決着できるはずがない。それが世間常識です。しかし競技ディベートでは競技スポーツのようにたやすく当たり前にそれをやろうとします。

 

無理なことをやろうとするから大変なのです。しかし大変なトレーニングによって識別力、認識力、傾聴力、構造化の力、表現力などが培われます。その識別力が日常の仕事でいかんなく発揮されている、と証言する人がディベート道場の中から出てきています。

 

「ディベートに比べたら仕事の意思決定やコミュニケーションはずっと楽」と言うのです。そういう人はディベート体験者の中に少なくありません。それはそうだろうと思います。「仕事」の種類にもよりますが、ディベートのトレーニングでは大変なことを短時間でやるので、通常の業務の複雑さなど単純に構造化できてしまうのです。

 

私は20年ほど前、30代で経営戦略コンサルティングファームに入社しました。答えのない世界で地道な調査と分析を重ね、独自の解決策を立案し、検証し、提示して実現していく仕事です。過酷な知的労働として知られる戦略コンサルティングの業務は、ディベートのリサーチや分析と酷似していました。

 

ディベートで培われる識別力は、戦略コンサルティングに要する識別力と共通しています。

 

ディベートは議論をやりとりして対話していくコミュニケーションです。しかしコミュニケーションが始まる前のプロセスが大切なのです。現象を構造化してシンプルに理解する認識力、識別力こそが鍵なのです。

 

 

思考と対話を徹底するディベート

 

ディベートの訓練によって可能になるものの筆頭は、徹底した思考、しかも意思決定のための思考です。

 

複雑化する現代社会において常に求められるのが、厳しい決断をする力です。しかもその決断は、難しい課題を多くの関係者と共有し、対話や議論を重ねた上で下されなければならないものです。

 

教育ディベートでは、その題材として公共政策の課題を議論することを想定します。多くの市民が影響を受ける政策決定を、多面的・全面的に吟味し、分析し、調査し、討議するのです。

 

ディベートの訓練は、こうした公共政策の専門家のためだけに行われるのではありません。現代社会に生きる我々は例外なく、人生の他の場面でも難しい意思決定を迫られることが少なくありません。仕事、家庭、人間関係、地域社会、世界や環境との関わり方など、徹底的に考え、とことん議論し、そして厳しい決断を下さねばならない場面は少なくないのです。

 

一方、ディベートはまるでスポーツのようなゲームでもあります。

 

どんなに課題が難しいからといってスポーツ選手は眉間にしわを寄せて難しい顔をしてプレイをしません。むしろ逆です。難しい課題の連続を、一流のアスリートはこともなげに受け入れ、優れた技術やひらめきによって解決していきます。

 

ディベートはスポーツのように楽しく、面白いものです。

 

考えてもみてください。ディベート甲子園に出場する中学生や高校生、英語ディベートで日本の国家政策を論じる大学生たちは、政策のプロでもないのに、世界の先端問題や解決困難な課題について調査分析し、大会で議論を戦わせて試合をしています。

 

ディベートの試合は現実問題のシミュレーションです。現実世界で容易な解決が見つからない課題について、ディベートでは制限なしに想像力を働かせ、どこまでも深く分析や議論を重ね、試合ごとに結論を出していくのです。

 

そのプロセスは徹底的な思考と対話、分析と意思決定のトレーニングです。

 

2012年にスタートしたディベート道場では、学生時代にディベートの訓練を受けなかった一般の社会人を中心とした参加者どうしでディベートを学び、ディベートを自分の仕事や人生に役立てています。

 

道場であつかった主なテーマ(2015年、2016年)

 

「ドリーム、シャドイング、フローテイキング」

・ディベート道場の目指すもの
競技ディベートのシステム
合理的意思決定とは何か
・参加メンバーの目指すこと(ドリーム)
・話す、聞く
聞きとる→書きとる→理解する→検証する→反論する
・新聞の社説を使った稽古
再構成と反論
カンバセーショナルディベートConversational debate
ディベートの構造を日常会話に応用する

 

 

「立論」

・フレ−ミングを変える稽古
「それはかえっていい!」
・リフレームして視野を広げる
・事実、価値、時間軸、機会、空間、因果関係etc
・ディベートのプロセス
価値観の再検証、思考パターン開発、観点を増やす活動
・立論のプロセス
リサーチと立論の関係、ストックイシューについて学ぶ。

 

「ターンアラウンド、システム図」

・ポリシーディベートを楽にする
論題のエッセンスに近づき、小さいドミノを倒す。
・ターンアラウンドの稽古
事実、価値、政策、時間軸で考える。
・システム図は何をあつかうのか、因果ループ、因果連鎖図を描くなど、システム図を学ぶ。

 

「戦略と判定」

・どこで試合に勝つか、ジャッジにどんな判定をさせるか、そのためにどんな立論や反駁が必要か、フローシートを右から左へと遡って判定と戦略を学ぶ。

 

「パラダイム」

・パラダイムとは何か、ディベートにおけるパラダイムなど、パラダイムの基礎を学ぶ。
・ストックイシューパラダイムの考察と実践。
・ポリシーメイキングパラダイムの考察と実践。

 

「フレンドリークリティーク(Friendly Critique)」

・友好的な批判(フレンドリークリティーク)を学ぶ。
・フレクリプレテスト(Pretest for friendly critique)で基礎を学ぶ。
フレンドリークリティークの基礎、議論を構成する3つの基本要素、優れた議論の特徴、敵対的な批判、客観的な批判、友好的な批判など。
・フレンドリークリティーク演習。

 

 

「カンバセンショナルディベート(Conversational debate)」

肯定、否定、、モデレーターの3人1組に分かれて、会話的ディベートを学ぶ。
準備なしに、お互いに知っている範囲でディベート的議論をする。勝敗無し、スピーチ順番なし。
日常に、仕事に使えるディベート術を稽古。

 

ボーナスセッション「モデルディベート」

論題「日本は、公共の場におけるヘイトスピーチを法的に禁止すべきである」
実験的なモデルディベートからディベートの本質と可能性を観察。
ジャッジに株式会社ウェッブアイ代表取締役社長 森川勇治氏を迎え、試合の解説とディベートの有用性についてお話し頂く。

 

 

「インパクト」

・「インパクト」の3Kモデルを学ぶ
kekka結果 Outcome
kachi価値 Values
kachi勝ち Win
・インパクトを探る稽古
1.結果、価値、どこで勝てるか考える
・インパクトを多面的・多元的に考える

 

「ディベートゲーム」

「FG〜Fiat Game」
「TG〜Thank God〜」
「DA〜Devil's Advocate〜」
「FC〜Friendly Critique〜」

 

 

ほか、「ストップモーションディベート」「クロスイグザミネーショントレーニング」など

 

ディベートが育む4つの叡智

 

人はたいてい20歳を過ぎると身長の伸びは止まりますが、脳の発達は止まることがありません。ただし、活発に使うことができれば、です。

 

競技ディベートの可能性は、社会人になってからディベートに取り組んだ人たちが見事に実現しています。

 

ディベートに取り組むことによって少なくとも4つの叡智をみがくことになります。

 

1つ目は思考を広くすることです。

 

2つ目は思考を深くすることです。

 

3つ目は思考をはっきりさせることです。

 

そして4つ目は思考を速くすることです。

 

ディベートで議論する論題についてリサーチを始めた途端にわかることがあります。 ひとつの問題は別の問題とつながっており、因果は果てしなく時空間に広がっていることです。

 

しかしディベートのために延々とリサーチばかりやっているわけにはいきません。建設的な議論を行えるためには、領域の広さを見極めなければならないのです。ディベートは否応なく思考の広さを要求します。

 

次に、どんなにリサーチをしてもディベートには試合があり、これで終わりということがありません。いくら資料集めをして証拠固めをしても、試合相手は鋭く反論してきます。それによっていやがおうにも思考が深まらざるを得ないのです。

 

試合では必ず判定が出ます。第三者のジャッジによる判定です。もちろん人間のやることですから、判定が絶対的に正しいなどということはありません。しかし第三者が客観的な距離を置いて公正を期して下した判定は、当事者同士の言い争いとは違う次元に学びを誘うことになります。議論の行く末に白黒はっきりと判定が下るのです。

 

ディベートはわかることもわからないこともはっきりさせる思考につながります。

 

最後に、極めてディベートに特徴的なのは、速い思考です。

 

ディベートの競技においては時間の制約があるので、どうしても瞬時に次々と判断を下すことが求められます。同じことを考え、同じことを決めるのにも、ディベートにおいては非常なスピードが求められるのです。ディベートは速い思考を求め、速い思考を可能にします。

 

問題領域について幅広くリサーチを行い、試合の前にじっくりと戦略を練ることから、実際に議論や反論に直面したときに瞬時の判断を下すことが可能になります。ディベートはたゆまない思考と判断の連続によって脳を活発にし、発達させるのです。

 

ディベート道場生の声

 

 

 

 

性格が変わる!

 

システムエンジニア 安藤さん 男性

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

・仕事
相手の話を理解しやすくなりました。ディベートを学ぶことで、相手の主張に対する”根拠”をしっかりと理解しようとする癖がつきました。根拠を明確化することで、相手の考えをより理解しやすくなりました。

 

・私生活
頑固な性格が少し改善された気がします。テレビや権威がある人の意見を妄信することが良くありました。ディベートを学ぶことで、自分が信じていたこと以外にも色々な意見、色々な根拠があることが分かりました。

 

ディベート道場の良さは?

 

・ディベートを日常に活かす方法について考える機会があるところ
道場で学んだことについて、日常でどのように活かせるかを意見交換する時間があります。とても参考になる考えが多く出てくることに驚いています。

 

・ディベート大会に参加できるところ
道場で学んだことを試合で実践することで、より学びが身についたと感じています。また、日々忙しい中でパートナーと協力して試合の準備をした結果、試合後に言葉にできない感動を味わえました。

 

 

 

 

客観的思考をトレーニングできる!

 

教育 安本さん 女性

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

ディベート思考のトレーニングによって、客観的な視点を意識付けることが可能になりました。思考をトレーニングできることを体験し、その効果によって、仕事や組織内で起きている問題に気づくことができ、問題の渦に巻き込まれなくなったり、人間関係においても付き合い方に適度な距離を保てるようになりました。

 

ディベート道場の良さは?

 

一番の良さとしてあげられるのは、居心地の良さです。道場内の自己組織化により、勉強したい人が勉強したいことを、やりたい時にやりたいだけやれる仕組みが少しずつできあがってきています。そういう空間は社会人にとっては大変ありがたい環境で、学びを自分のペースで無理なく取りに行くような感覚で居心地の良さを感じます。

 

 

 

 

仕事に直結する能力を身につけられる!

 

システムエンジニア 40代 男性

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

・ディベートの試合の中で最大限のパフォーマンスを発揮することを意識してトレーニングしていく中で、頭脳のSPEC(CPU,メモリ)が上がり、仕事が早くなりました。それにより、会議で話を纏める力や、上司や部下に話の要点を伝える力を身につけることにもつながったのではないかと思います。

 

・限られた時間の中で、ディベートの準備・リサーチをする中で、時間のマネジメント能力が付きました。スケジュール全体の中で今やるべきことは何か、とか、この課題を今の1時間でクリアするためにはどうすればよいか、など意識して仕事ができるようになりました。

 

・ディベートの試合のテーマについてリサーチしていく中で、医療、外交/軍事、選挙、移民政策など、様々な政策、時事問題について、専門家ではないなりに自分で調べてみる力が付きました。

 

・ある政策のテーマについて、何が問題で、何をすれば、どのくらい問題が解決できるかというストーリーを文章にしていくことで、今ある状況を整理して、問題を抽出して、解決策を考える力が身に付きました。

 

ディベート道場の良さは?

 

師範と道場生の人の良さだと思います。いろんな仕事、年齢の人が集まっていて、みんな自主的に、前向きに学ぼうとしています。誰かに強制されている訳ではないのですが、先輩は後輩にスキルを教えて、稽古したい人はスカイプ稽古を自分で立ち上げていくということを自発的に行っていくという雰囲気(風土)があります。社会人として仕事などをやりながら、ディベートの試合の準備をしていくことはとても大変なことですが、そういう雰囲気に後押しされて、少しずつみんなで上達していけるということろが、ディベート道場の魅力だと思います。

 

 

 

 

ファシリテーションにも役立つ!

 

コンサルタント 森山さん 女性

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

・会議のファシリテーションをするとき、その場で深く広い議論が交わされるようになり、また、短時間で議論がまとまるようになった。その結果、自分の仕事が格段に早く終わるようになった。
・専門性の高い情報や、新しい概念、現実の複雑な状況への自分の理解力が向上し、世界の見え方が大きく変わった。興味の幅も広がった。

 

ディベート道場の良さは?

 

・皆が自由に必要なことを学び取ろうとしていること。
・ディベートを続けるためのハードル(多忙、自己管理など)を乗り越えてやっている人たちがいて、その努力に見合った成果を出し、成長している姿 を見られること。

 

 

 

部活のような充実度!

 

マッサージ師 30代 男性

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

議論に勝ち負けがつくので、自分の実力が客観的にわかること。

 

ディベート道場の良さは?

 

試合参加が決まるとその準備で日々が部活動のようになること。

 

 

 

 

表現力、交渉力が身につく!

 

音楽家 佐々木さん 女性

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

・漠然とした考えや感覚を短い言葉で明確に表現する力がついた。
・いつの間にか、一番苦手だった交渉力がついた。

 

ディベート道場の良さは?

 

・チームを組んだり、一緒に稽古することで、自分の思考のクセを知ることができる。
・みんなが変化し成長する姿を見れるので、励みになる。

 

 

 

 

ディベートは日常に活かせる!

 

編集 糸賀さん 男性

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

日常の困ったことをひっくり返せる
ディベートの反論スキルを応用することで、日常で困ったことが起きても冷静になれるようになりました。

 

ディベート道場の良さは?

 

ディベートのスキルを日常に落とし込めるようなゲームを行ったり、道場内の予選やモデルディベートで一流ジャッジ(元ディベーター)のコメントや話を聞けることです。

 

 

 

 

人生をより良いものにする!

 

主婦 佐藤さん 女性

 

 

<ディベートの成果>

 

はじめは何も分かりませんでした。やる気はありましたが、理解できないことが多過ぎて、道場の内容もただ聞くだけしかできませんでした。しかし、1年ほどで少しずつ議論の内容について考えることができるようになってきました。

 

さらに半年が過ぎたころ、会社での明確な変化に驚きました。相手の発言を冷静に分析する力がついていたのです。他の人にとってはそれくらい普通にできると感じるくらいのレベルかもしれませんが、相手の発言を傾聴し、なにが言いたいかを想像し、それに必要な質問をこちらから投げかけることができるようになりました。それによって、自分が何をするべきか、やれることは何かを判断する能力が確実についていることに気が付きました。他に、メールの返信が早くなったり、会話が以前よりもスムーズにできるようになったり、ディベートをやればやっただけの成果があることが楽しくて仕方なくなってきました。

 

<ディベートの可能性>

 

ディベートは、かならずひとつの論題について肯定と否定に分けて考えることになります。どちらかに偏った主観があったとしても、かならず反対の立場で深く考えてそのインパクトや問題の因果関係を探ります。その過程で今まで自分の頭の中にはなかった思考回路が形成されていきました。

 

また、論理とはまったく正反対の感情の部分、人間関係や自分自身についても深く観察できるようにもなりました。この理由は、ディベートをすることで論理と感情を分けて考えることができるようになったからだと思います。これは、仕事の充実だけではなく生きていくうえで人生をより良いものにしてくれると思いました。自分に正直になることができ、人に優しくもできるようになったんです。

 

結婚はしばらくできないだろうと思っていましたが、恋人ができ結婚して子供まで授かれたのはディベートをやったおかげだと思っています!!

 

そんな可能性がディベートにはあります(^◇^)

 

<仲間の存在>

 

ディベートの試合準備をすると、自分の意見をどんどん掘り下げて考えてパートナーと情報共有していくことが必要になります。ですから、はじめのうちはパートナーと意見がぶつかったりもしました。ですが、それこそが学びだったのです。普段の社会生活では、あえて突っ込まないようなレベルまで情報を共有して、何が確からしいのかを探求することが大切だと。それは、道場のように安全に議論できる場で、みんながディベートを学ぶという共通の目的に向かっているからこそできるのだと思います。
ですから、仲間の存在、道場を安全で楽しく学べるような場所を作り上げてくれている田村師範には本当に感謝の気持ちでいっぱいです!!

 

 

 

 

コミュニケーションが変わる!

 

弁護士 酒井さん 男性

 

 

ディベートを学んで変化したことは何ですか?

 

他人とのコミュニケーションの幅が広くなり、人との付き合い方が大きく変わっています。

 

まず、自分と意見が違う人の話を深く聞けるようになりました。皆さんは、自分と違う意見を聞くと、すぐに遮ったり反論したりしたくなったことはありませんか? また、興味のない話を聞かされて、内容を理解できなかったことはないでしょうか? 以前の私はそうでした。

 

そんな私もディベートを始めてから、自分とは異なる立場でのスピーチを考え、必死になって相手の主張を聞くという訓練を続けることで、話の聞き方が変わっていきました。ディベートではあるテーマについて必ず肯定と否定の両方の立場で主張を考えてスピーチします。相手の主張がどんなに突拍子のないものでも、理解して反論しなければなりません。否応なく、人の話、主張を深く聞くことの大切さを実感できます。さらに、練習を続けていると、相手の主張のポイントは何かということを限られた時間の中で考える力が付きます。自分と違う意見を聞いても、どこがどう違うのかと考えながら聞く余裕がでてきます。

 

次に、他人に自分の意見、思いを伝えやすくなり、もっと伝えたいと思っています。日本人はよく自分の意見を伝えるのは苦手だと言われますが、以前の私は食べ物や音楽といった個人的な好みについての簡単な話題でさえ、他人に自分の意見や思いを伝えることが億劫でした。

 

私がディベートを始めて気づいたことは、黙っていないで、とにかく意見、議論を言った方がいいということです。ディベートでは、どんなに優れた議論でもスピーチしなければ、ジャッジはその議論を全く判断してくれません。黙っていると負けてしまうのです。反対に、どんなに稚拙な議論でも、ジャッジは真剣に扱ってくれますし、相手方チームが反論できなければ勝つこともあります。意見、主張をどんどん表現できる姿勢と反論されることは当たり前という打たれ強さが自然と身につきます。さらに、不思議なことに、ディベートした相手とは人間関係もよくなっていきます。実際、ディベート道場生同士だけではなく、他の団体のメンバーとも交流ができています。黙っているよりも、自分の考え、思いを伝えた方がお互いに深く理解し合えるという、とても貴重な経験ができました。

 

ディベート道場の良さは?

 

一番の魅力は、マイペースで続けられることです。
何事も継続していけることが上達のコツだと思います。道場のメンバーは社会人ですが、仕事や家庭を持ちながらも、初心者の人や試合を何回も経験している人が一緒になってそれぞれの目標に向かって学び続けています。ディベートを学ぶ時間をつくるのは大変ですが、道場に出て、他の道場生と話をすることはいい気分転換になりますし、忙しい中で一生懸命ディベートに打ち込んでいる他の道場生の姿に元気づけられています。どうしても忙しいときは、道場を休むこともありましたが、後で講義の録音を聞くことができたのはとても役に立ちました。

 

また、道場では本気でディベートを学びたいと思えば、道場生同士で試合に出るための練習、準備を思う存分することができます。私もディベート道場に通い始めた頃、道場生同士でのスカイプを使ったディベートの稽古、練習試合に参加して、道場内の試合や対外試合(JDA主催の大会)に出たりしていました。道場をつうじてとてもいい仲間ができました。もちろん、試合の準備をすることは大変ですが、ディベートの試合で味わえる楽しさ、達成感は格別です。時間をかけるだけの価値は十分にあると思います。今年も時間が許せば、みなさんと一緒に試合をしたいと思います。

 

ディベート道場の活動

 

ディベートは日常会話とはかけ離れた活動です。日頃の生活でディベートのように真っ向から議論をぶつけ合うことは、(日本においては)滅多にありません。

 

一方で、ディベートはそれほど特殊な方法ではありません。必要となれば誰もが学び、誰もが実際に応用できることなのです。

 

ちょっと説明しましょう。

 

仕事や生活の場面で「これはどうすべきなのだろう」「本当はどうなのだろう」「何が正しいのだろう」などと考えるとき、私たちは自分の知識や経験、偏見や先入観に基づいて大抵のことを決定しています。

 

会社や学校などで物事を決めるとき、多数決や少数者の独裁、場の雰囲気や序列が上位の人の支配などによって事態が動いていきます。

 

ディベートはこうした意思決定の場面において、

 

1.どう考えるべきか
2.何を伝えるべきか
3.どう決めるべきか

 

を助けるための合理的な仕組みです。

 

ディベートは「ああ言えばこう言う」というような口喧嘩では決してありません。

 

物事を根本的に考え、考えたことを具体的に伝え、伝えられたことに基づいて意思決定していくプロセスです。

 

ディベートを学ぶ人は、特別な頭脳や性格の持ち主である必要はありません。

 

普通の人たちが、自分の頭で考え、仲間や同僚にそれを分かち合い、合意を形成していくための頭の使い方や言葉の使い方をトレーニングしているのです。

 

ディベート道場に集まっている人たちもいろいろです。

 

会社勤めのビジネスマンやOLもいれば、主婦や学生や音楽家や建築家や法律家やマッサージ師もいます。

 

皆それぞれがディベートを学び、頭脳を鍛え、思考力を高めて、仕事に活かし、自分自身や自分のチームを高めていこうとしているのです。

 

ディベート道場は、自由です。

 

 

 

 

ディベート道場コース案内

 

ディベート道場には、経験者から全くの初心者まで一緒に学んで稽古していきます。

 

毎回、参加者のニーズに対応し、参加者の創造的な学びの場をつくることが目的です。

 

経験者が近くにいること、初心者が近くにいることで、創発的にたくさんのことを学べます。経験者は初心を忘れず、初心者は、経験者と一緒に学ぶことであらゆるハードルが下がっていくでしょう。

 

全くの初心者だからと言って心配する必要はありません。ディベート道場では個人のペースで学ぶことを大切にしています。

 

※ディベート大会への参加。セルフトレーニングコースのSkype稽古への参加は強制ではありません。

 

ディベート道場には二つのコースがあります

 

<一般道場生>

 

◆期 間:1年間 全15回(2017年4月-2018年3月)

 

◆一年間の受講費:
(一般価格)129,600円
(法人価格)270,000円
その他、学割など各種割引があります。お気軽にお問い合わせ下さい。

 

◆会 場:中央区区民館(開催日の1週間前にお知らせします)

 

<セルフトレーニングコース>【通信コース】

 

◆対 象:
時間や場所の制約により、道場に参加できないがディベートを継続して学びたい方。
まずはディベートがどんなものか知りたい方など。

 

◆コース内 容:
1.毎回のディベート道場で道場主、師範代がレクチャーした音声を聴く。
  音声は講義が行われた10日前後を目安に配信します。
2.道場で行われた演習をSkype上でやってみる。月1回 or 2回
  道場生がサポートするSkype稽古会です。(師範代:酒井洋一)
  同コースの2〜3名のメンバーと日時を調整して(1時間程度)と稽古します。
3.都合の合う日には道場参加可能です。
  必須ではありませんが、4/10(日)はぜひご参加下さい。
4.道場メールグループで情報や意見交換してください。

 

【*なお、2〜4は希望者の方のみ。途中から参加してみたくなった人は、その時点から参加可能です。】

 

◆一年間の受講費:64,800円

 

セルフトレーニング生の声

 

 

 

人の意見を鵜呑みにしなくなった!

 

技術職 まなぶさん 20代男性

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

人の意見を鵜呑みにすることが少なくなりました。私は今まで、誰かに主張や反駁をされると何も言い返すことができませんでした。
私はこの呪縛から逃れたいと思いディベートを学びました。今回のセルフトレーニングでは、道場の先輩の方に再反駁の練習をやって欲しいとお願いし、1年間やってきました。次第に相手に反駁されても臆することなく、思考を切り替えて再反駁が出来るようになり、フラストレーションが溜まらないレベルまで上達できました。

 

セルフトレーニングコースの良さは?

 

値段が安い!(笑)
値段が安いからあんまり上達しないじゃない? って思うかもしれませんが、希望者はスカイプ稽古だけでも上達します。自分は今回のセルフトレーニングだけで試合が出来るところまで上達しました。ディベートに興味がある方はまずスカイプ稽古からでもいいと思います。道場の試合を見学することもできます。これは、はじめまして学ぶ方にはかなりのメリットだと思います。格上の人と一緒の空間にいることは貴重です。

 

 

 

自分の好きな時間で学べる!

 

主婦 Aさん 女性

 

 

ディベートを学んで変化したことは?

 

グループの中での会話が苦手だったのですが、以前より苦でなくなってきました。人の話しを聞いて判断する、能力がついたのでしょうか。相手の話を感情的でなく、論理的にとらえるようにするようになりました。

 

セルフトレーニングコースの良さは?

 

小さい子供がいて夜や休日の外出が難しいので、セルフトレーニングコースがあって、学ぶことができて本当に助かりました。道場の録音も聞くことが出来るので、とても良かったです。

 

【途中入門受付可】

 

受講費について
・残りの受講回数で割った金額になります。
(過去のセルフトレーニングコース用音声希望の方は1回分5000円(税抜)で音声配信いたします)
・セルフトレーニングコースについては、過去の音声もまとめて配信いたしますので受講費に変更はございません。

 

 

これからのディベート道場

 

 

師範 田村洋一

 

 

組織開発ファシリテーター。企業人教育、エグゼクティブコーチング、企業組織でのコンサルティングの豊富な実践経験と、多くの優れた教育家・コーチ・コンサルタントから学んだ経験を持つ。 2002年からメタノイア・リミテッド代表。著書に『人生をマスターする方法』(2008年)、『組織の「当たり前」を変える』(2006年)、『なぜあの人だと話がまとまるのか?』(2004年)、『プロファシリテーターの話がまとまる技術』(2011年)、共著書に『組織開発ハンドブック』(2005年)。

 

上智大学英語学科在籍中は日本国政府の政策を論じる競技ディベートに没頭し、全国大会、国際大会など複数の主要な大会で優勝。その後ニュージーランドや北米でさまざまなアカデミックディベートのスタイルに触れる。現在も審査員や講師、コーチなどの活動を通じてディベート教育活動に貢献している。1997年から2005年まで日本ディベート協会理事。主なディベート大会実績

 

1985年 Tokyo Intercollegiate Debate Tournament 優勝
1985年 East West Debate Tournament 優勝
1985年 International Debating Contest 優勝

 

ディベート道場の守破離

 

ディベート道場では参加者の人たちに自分の目指すレベルを尋ねています。

 

守: ディベートになじむ
破: 試合ができる
離: 何でもディベートできる

 

の3つのレベルです。今日はこれについてお話ししましょう。

 

守: ディベートになじむ
これだけでディベート道場を終えて行く人もいます。それでもいいのです。
ディベートは他のどんな学習活動とも似て非なる体験です。単にロジカルシンキングを学ぶのとは違います。単にスピーチを学ぶのとも違います。哲学を学ぶのとも違います。ダイアログサークルで対話に勤しむのとも違います。言ってみればそれら全てを統合したゲームとも言えます。
ディベートは頭を鍛えるだけでなく、身体と心を鍛えるゲームです。その体験から自分にとって必要な学びを得て終わることができればそれに越したことはありません。

 

破: 試合ができる
ディベートを本当に学んで熟達しようと思えば、試合をたくさん経験するほかありません。
サッカーにたとえてみましょう。サッカーボールを蹴ったり、ドリブルの練習をしたり、パスの練習をしたり、ゴールにシュートしたりして遊んだら、それだけでそれなりに楽しいし、ボールを扱うスキルも向上するでしょう。軽く練習試合をすればゲーム感覚もわかり、「サッカーとはこんなものか」という全体感も掴めるでしょう。
しかし本気で試合をしなければ、真剣勝負をしなければ、本当のサッカーの醍醐味は一生わからないだろうと思います。本番の試合の空気、相手チームとの駆け引き、戦略と勝負運、ひらめきと連携、真剣に戦い、勝ったり負けたりする中でしか得られない学びがあります。
ディベートも同じです。道場で基礎稽古をすればそれなりにディベートになじむことができます。他の人の試合を観戦すれば理解も進みます。しかし自分の頭と自分の身体で議論をしたり判定を下したりできるようになるためにはどうしても試合経験が必要なのです。
破を目指す人はひとまず10試合、次に30試合、そして100試合することを考えるといいでしょう。

 

離: 何でもディベートできる
教育ディベートは試合することが大きな特徴ですが、ディベートの学びは試合に勝つことなどを大きく超えるものです。勝ち負けを本気で争うチームの試合をジャッジとして判定する経験が絶対に必要です。
判定の力、意思決定力は、現代社会を生きる私たち全てに必要であり、あらゆる場面において役に立つものです。
アカデミックディベートに特徴的な徹底的リサーチと分析、そして戦略と議論は、知的プロフェッショナルの資本である考える力を維持向上する過酷なトレーニングです。

 

トレーニングは、ときに現実の仕事以上のストレスを課します。ディベートを経験した人たちが「ディベートに比べたら会社の仕事は楽だ」と言うのは決して大げさではないのです。

 

私の本音を言えば、ディベートを体験した全ての人にこの段階に進んでほしいと思っています。また、それは充分に可能だと思います。ただ、そこに到達するまでのトレーニングが過酷に感じられて途中で離脱する人がいるのも事実です。離脱してもそれはそれなりのご利益に恵まれるであろうことは上に書いた通りです。
目標は高くて困ることはありません。せっかくディベートするなら大いに高みを目指し、遠くを見てやるのがいいと思います。
が、あまり肩肘張ってディベートを頑張りすぎても疲れてしまいます。今後も休み休み、楽しみながら、いろいろ遊んでいこうと思っています。

 

 

限られた時間でディベートを学ぶ

 

STARクラブディベート道場の大会、予選

 

第2回 STARクラブディベート道場七夕杯 
論題「日本政府は移民規制を大幅に緩和すべきである」
ジャッジ
北野宏明氏 (ソニーコンピューターサイエンス研究所)
友末優子氏 (バイエル薬品株式会社)
佐藤義典氏 (ストラテジー&タクティクス株式会社)

 

STARクラブ JDA秋季大会出場予選
論題: 「日本は、公共の場におけるヘイトスピーチを法的に禁止すべきである」 (2015年JDA秋季大会論題)
ジャッジ
竹中野歩氏 (TBWA HAKUHODO QUANTUM)
山中礼二氏 (株式会社 グロービス)

 

STARクラブ JDA春季大会出場予選
論題: 「日本は2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催権を返上すべきである」 (2016年JDA春季大会論題)
ジャッジ
伊藤英幸氏
佐藤義典氏

 

第3回 STARクラブディベート道場七夕杯
論題「日本は日米安全保障条約を破棄すべきである」
ジャッジ
森川勇治氏 (株式会社ウェッブアイ )
友末優子氏 (バイエル薬品株式会社)
佐藤義典氏 (ストラテジー&タクティクス株式会社)

 

STARクラブ JDA秋季大会出場予選
論題: 「日本は一般的国民投票制度を導入すべきである」 (2016年JDA秋季大会論題)
ジャッジ
山中礼二氏 (株式会社 グロービス)

 

STARクラブ JDA春季大会出場予選
論題: 「日本は代理出産を実施するために必要な法的枠組みを整備するべきである」 (2017年JDA春季大会論題)
ジャッジ
佐藤義典氏 (ストラテジー&タクティクス株式会社)

 

 

 

 

 

 

STARクラブ
http://starclubseminars.com